鍵屋のこだわり~合鍵の作り方からその精度、マシンについて
はじめに
この記事では、鍵屋さんとしてのこだわりについて説明します。鍵屋にとっては不可欠の機械「キーマシン」について、その中でも普通のギザギザキーについてのお話になります。普段触れることのない世界とは思いますが当店のこだわりや、鍵屋の技能の違いがどうのようにして出ているのかがわかる内容になっております。
キーマシン(通常キー用)
合鍵を作製できるところは必ず専用のマシンを使用しています。上記のマシンは当店で使用しているものです。
色々なメーカーがあり、様々なこだわりがある機械ですが、根本の仕組みや考え方は似たようなものです。
このキーマシンの決め手は特別な調整ダイヤルがついているところです。かなり精密な調整が可能です。
鍵の作り方
合鍵は、元の鍵の形をなぞることで作製します。元鍵と合鍵を同時にセットしスペアキーを作製します。
元鍵にはなぞるためのガイドが当たります
合鍵にはカッターが当たり、金属を同じ形に削っていきます
元鍵と合鍵の並びが前後なのは日本製に多く、海外製は横並びが多いですね。
元鍵と同じ形に仕上げるためには、同じ「深さ」「ピッチ」を合わせることが重要になります。基本的な数値ははじめから合うようにできていますが、どんな状況、環境の鍵にも合わせて作るためには、鍵屋に技術で「深さ」「ピッチ」をうまく合わせる作業が必要になってきます。
「深さ」「ピッチ」の調整方法
「深さ」「ピッチ」を調整するもっとも基本的な方法は「ガイド」を動かすことです。ガイドは適切に操作することで前後左右に動くようになっています。当店のキーマシンには特別な調整ダイヤルがついており精密に調整することができます。
あなたは0.01㎜分だけネジを回せますか?
近年の鍵は0.1㎜数値が違うと、鍵穴が回らないとされています。(鍵の種類にもよりますが。。)すべての鍵を合わせるとなると様々な誤差も計算して、0.01㎜くらいから調整したいところです。でも人間の手で果たしてそこまでの調整ができると思いますか?なかなかできるとは言えませんよね。ましてや、キーマシンというものは何百万もする巨大な工作機械ほど細かく作られていません。職人の手が大事になってきますね。ここが難しいところです。
ここで大事になってくるところがキーマシンの種類です。特に古いキーマシンはガイドの調整ダイヤルがガバガバです。新しいキーマシンが調整ダイヤルが精密です。だから新しいキーマシンがやはり良いです。古いキーマシンでいつまでもやっている鍵屋はとても良い腕か、適当かのどちらかです。
当店のキーマシンは最新の特別な調整ダイヤルがついているのでとっても精密に調整ができます。(私はとても古いマシンを使用した経験もありますが、調整はむちゃくちゃ面倒でした)
スペアキーを正確に作るために
スペアキーを正確に作るためには、すべて前後が 「同じ」 であることです。「同じ」であることは現実的にはできないことであり、同じではないところはどこなのかを把握することが必要です。例えば元鍵の幅は7.00㎜であってもスペアは7.01㎜であり、全く同じではないのです。
同じであってほしいポイントは
土台/鍵をセットするバイス(各面)/ガイド/カッター/鍵の寸法/鍵の溝形状/鍵穴のピン寸法
これらが複合的に重なって結果として鍵が回ります。
重要度の高さの違いはありますが、何かうまくいかないときはこれらに原因があります。このなかでも鍵選びとガイド調整がとても大事!
鍵を作る人にも違いがある
これだけの仕組みを理解しないと鍵を作れないかというと、、、大体の鍵はできます。でもすべての鍵を作製するためには理解しないと駄目でしょう。どこまで、求めるかですが、片手間で作業している方とは、鍵屋の技術は全く違うということは断言できます。
他店で断られたという鍵が多くいらっしゃいますが、「こんな簡単な鍵を断るの!」ということも多々あります。いろんな鍵屋さんを見て回ることも必要かもしれません。一度当店にもご相談ください。
まとめ
キーマシンはとっても複雑です
でも「a little bit」のキーマシンは特別な調整ダイヤルが付いててスゴイ!
スペアキー作製はいろんな知識が必要です
できれば「a little bit」まで合鍵を作りにきてほしい、来てくれたらとってもがんばります