「berluti」受け継いだ革靴をまるごとお修理!中の部分まで分解修理!

父親から受け継いだ大切なお靴を預かりました

今回のお客様はお父さんから受け継がれたそうで
履くからにはしっかり修理したいということでお受けしました。
マッケイ製法で作られており、オールソールは一度行っている様子、中底の損傷もあるようなので交換が必要になりそうです。修理はお任せすると言っていただいたので好きなように仕上げさせていただきました!

今回は長文です

修理内容とこだわり

修理前


ハーフソールと本底ソールの接着は使用により剥がれています
かかとはよく踏んずけていたようでヤブレがあります
アッパーも全体的に擦れている、といった感じでしょうか

分解していくと


マッケイの縫い跡が2列あって、オールソールを一度していることがわかります
マッケイの線は、ちょっと内側に縫っていて中底の外側が全部せりあがっています
かかとは右足が完全に破れているので内側から補強して直さなくてはいけません
ハーフソールも雨染みとつま先がしっかり削れており、はがれても仕方ないですね
中底はバッカーとの合い底でバッカーが千切れています
最後にライニング内側の小指の当たる部分が破れています

修理後

全体に修理させていただき、綺麗になったのではないでしょうか!?
マッケイなので踏まずは丸コバにしてシャープにしましたが前足部はウェルトでしっかり守るように
カカト履き口のヤブレもしっかり補修
アッパーはクリーニングも含めて輝きが戻りました
ハーフソールもご注文いただきましたので、少しカーブをつけて取り付けています
マッケイ縫いはハーフソール部分までにしています、というのもバッカーが破れてしまっていたので
ミシン目を入れたくなかったのが理由です ラインは狙い通り、全敷きインソールがついているので隠れます
その分飾り釘をしてデザイン性+取り付け強度アップです
ライニング内側の小指の破れた部分も革補強しています

中底の作りこみ


中底の交換は個人的には「なし」の考えかたです
今までの履きこんだ馴染みがなくなるので、形も元とは微妙に変わりますし、
なにより履き心地が大きく変わります、これは足が直接当たる部分なので少しの変化でも感じてしまいます
(でも意外と今までクレームはありません。。。)
背骨に当たる部分なので中底の交換なら買い替えがオススメかなって思います

とは言え人にはいろんな事情があるわけで
履き心地より、オススメより「思い入れ」っていうのが一番大切ですし
そのような気持ちのあるものには、本気でお受けしたいというのが私の考えです
今回は受け継ぎなので、履く人間が変わる際の中底交換は、逆に理にかなっているなと感心したところでもあります

そして
今回の中底の作りこみですが、取り付ける前から癖付けに力を入れました
まったく同じの木型は持っていればこのような苦労は減るのですが、修理ではそうもいきません
持っている木型でなるべく同じような屈曲を目指して作りこみます
濡らして、木型に沿わして固定、乾燥するまで待つ(その他工夫)
バッカもー合わせて何日も置いて最終的な形まで持っていきました
結構見た目近いようにできましたので、良い履き心地になってくれたらなと願っています

まとめ

今回は「berluti」のお靴を修理させていたきました
お任せいただいたので飾り釘を楽しく入れさせていただきました!
結構オリジナル性が出てよかったのかなと思います!

〇修理料金 大体4万円くらいです

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